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専門領域は「薬剤学」「薬物動態学」ですが、薬の効果や副作用が服用する時刻によって変動することに着目し、生体機能の24時間周期のリズムを制御する「時計遺伝子」の機能に基づいたメカニズム解析と医薬品の至適投薬法の構築に向けた研究に取り組んでいます。また、薬効・副作用の時刻変動とは別に、疾患の症状や発症も一日の中の特定の時間帯に悪化することが知られています。そのような「疾患のリズム」も時計遺伝子によって制御されていると考えられていますが、そのメカニズムはほとんど解明されていません。そのため、薬効・副作用の時刻変動と疾患リズムとの両方のメカニズムを理解して、最適な投薬タイミングを設定できれば(時間薬物療法)、薬は今よりもっと安全で使い易くなるはずです。

 一般に、普遍的なメカニズムの解明が科学研究の基本ですが、得られた所見を社会実装するには、「普遍的なメカニズムを基盤に未来が予測できること」が重要だと考えています。私の専門である薬物動態学では、薬物の吸収・分布・代謝・排泄の各過程を1つの普遍的なシステムとして捉え、服用後の体内での挙動を予測するために確立されてきた学問です。これを時間薬物療法に応用し、融合・発展させていくことも今後の目標です。


現在の主な研究テーマ

・がん免疫応答の概日リズム制御機構を基盤にした免疫チェックポイント阻害薬の至適投与設計

・悪性神経膠腫を対象にした分子病態解析と治療標的分子の探索

・概日時計分子機構を基盤にした肝がん代謝変容のメカニズム解明と治療標的の探索

・HER2陰性乳がんを対象にした抗体薬物複合体の時間薬物療法の構築

・がん性疼痛の概日変動メカニズムの解明と新規鎮痛標的分子の探索

・糖尿病性末梢神経障害疼痛の予防を指向したSGLT2阻害薬の至適投与設計

・慢性掻痒病態における概日変動メカニズム解析