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電子カルテ情報を用いた糖尿病性神経障害の発症予測に関する研究

・はじめに
糖尿病は現在、世界中でその患者数が増加している疾患のひとつであり、日本においても例外ではありません。糖尿病とは、血糖値やHbA1c値が基準値を超えている状態を指しますが、長期にわたる高血糖状態は様々な合併症を引き起こす可能性があるため、医療の現場においても注視されている疾患です。また、糖尿病の三大合併症のうち、糖尿病性神経障害は、最も早期に出現し、最も発症率が高い合併症ですが、その発症時期や発症の有無自体を具体的かつ的確に予測することは難しいのが現状です。このような背景を踏まえ、私たちは、糖尿病性神経障害を発症している患者さんと発症していない患者さんのデータを統計的に解析し、両患者さんの検査結果などに差があるか否かを検討するとともに、患者さんの糖尿病性神経障害の発症リスクを予測できるか否かについて検証します。

・対象
2005年4月1日から2016年3月31日までに福岡記念病院に入院または通院され、“糖尿病”もしくは“糖尿病性神経障害”と診断を受けた方で、20歳以上85歳以下の方を対象といたします。対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡ください。

・研究内容
福岡記念病院に入院または通院され、“糖尿病”もしくは“糖尿病性神経障害”と診断された患者さんの基本的な情報(年齢・性別・身長・体重・BMI)、病歴に関する情報(発症時期・家族歴・既往歴)、生活習慣に関する情報(喫煙量・飲酒量)、服用薬に関する情報(薬剤名・用法用量・服用期間)、検査値に関する情報(ヘマトクリット値・ヘモグロビン値・赤血球数・白血球数・血小板数・好中球数・リンパ球数・単球数・好酸球数・好塩基球数・総コレステロール値・HDLコレステロール値・LDLコレステロール値・トリグリセリド値・HbA1c値・血糖値・グリコアルブミン値・総タンパク質値・アルブミン値・総ビリルビン値・AST・ALT・γ-GTP・ALP・LDH・クレアチンキナーゼ・Na・K・Cl・CRP・尿酸値・BUN・GFR・血清クレアチニン・クレアチニンクリアランス)を、診療記録をもとに調べます。
この結果を九州大学にて、糖尿病性神経障害を発症している患者さんと発症していない患者さんとで統計処理によって比較し、両データに差があるか否かを検討します。
さらに、これらの情報から、患者さんの糖尿病性神経障害の発症リスクを予測できるか否かを検証します。

・個人情報の管理について
個人情報漏洩を防ぐため、福岡記念病院において、個人を特定できる情報を削除し、データの数字化、データファイルの暗号化などの厳格な対策を取り、第三者が個人情報を閲覧することができないようにしています。
また、本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。

・研究期間
研究を行う期間は、承認日より平成33年3月31日までです。

・医学上の貢献
本研究により被験者となった患者さんが直接受けることができる利益はありませんが、本研究の研究成果は、合併症予防への取り組みや糖尿病治療の治療方針を決定する際の一助となり、今後多くの糖尿病患者さんの治療と健康に貢献できる可能性が高いと考えます。

・研究機関
九州大学大学院薬学研究院・グローカルヘルスケア分野・教授・小柳 悟
福岡記念病院薬局・薬局長・下山 真智子
九州大学大学院薬学府・薬剤学分野・大学院生・権藤 美和

・研究計画書・研究方法の閲覧、個人情報開示に関する手続きについて
本研究の計画書・研究方法の閲覧については下記にご連絡ください。また、本研究によって保有する個人情報のうちご本人に関するものについては開示可能です。開示手続きにつきましても下記にご連絡ください。
                    
  連絡先:〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
     九州大学大学院薬学研究院グローカルヘルスケア分野
     担 当:薬学研究院・教授 小柳 悟
     電話:092-642-6611、FAX:092-642-6613
     e-mail: koyanagi@phar.kyushu-u.ac.jp