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免疫チェックポイント阻害剤・抗体薬物複合体製剤の投与時刻と有効性・安全性に関する調査研究

1.臨床研究について
九州大学大学院薬学研究院臨床薬学部門では、より良い薬物療法を患者さんへ提供するため、薬の有効性と安全性を研究し、研究結果を臨床の薬物治療の現場に提供できるように努めています。その一つとして、免疫チェックポイント阻害剤および抗体薬物複合体製剤の投与時刻と有効性・安全性に関する「臨床研究」を行っています。
今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、2029年3月31日までです。

2.研究の目的や意義について
多くの薬の効果や副作用の程度は、服用する時間帯(一日の中の時刻)によって変化します。最近の研究では、肺がんの治療に用いられる免疫チェックポイント阻害薬や、乳がん治療に用いられる抗体薬物複合体の有効性も投薬(点滴)する時間帯で異なってくることがわかってきました。そこで、九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野では、肺がんの治療に用いられる免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブおよびペムブロリズマブ)、乳がんの治療に用いられる抗体薬物複合体(トラスツズマブ-デルクステカン)の有効性と安全性に及ぼす投薬時刻の影響を解明することを目的として、本研究を計画しました。本研究を行うことで、がん薬物療法に「投与時刻」の要素を加味することの重要性が示され、より効果的・効率的な治療につながることが期待できます。

3.研究の対象者について
2022年4月1日から2025年3月31日までに九州大学病院で免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ[オプシーボ®]またはペムブロリズマブ[キイトルーダ®])を投与された肺がん患者、または抗体薬物複合体(トラスツズマブ-デルクステカン[エンハーツ®])を投与された乳がん患者、合計900名を対象にします。ただし、これらの薬物による治療を受ける際に同意を取得した時点での年齢が18歳未満の方は対象に含まれません。研究の対象者となることを希望されない方、または研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

4.研究の方法について
この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。取得した情報からニボルマブ、ペムブロリズマブ、トラスツズマブ-デルクステカンの治療効果や副作用の発症頻度と点滴された時間帯との関係性を分析し、免疫チェックポイント阻害剤および抗体薬物複合体の有効性・安全性に及ぼす投薬時刻の影響を明らかにします。
〔取得する情報〕
患者基本情報(年齢、性別、身長、体重、BMI、喫煙、入院日、退院日)、既往歴、併存症、生活習慣、手術歴、化学療法治療歴、免疫チェックポイント阻害薬または抗体薬物複合体による治療歴、がん関連遺伝子の変異の有無(肺がん;EGFR, ALK, ROS1, BRAF、乳がん;BRCA)、血液・尿検査結果、処方、注射、化学療法レジメン、有害事象、胸部レントゲン画像、胸部CT画像レポート、病理組織検査レポート

〔利用又は提供を開始する予定日〕
研究許可日以降

5.研究への参加を希望されない場合
この研究への参加を希望されない方は、下記の相談窓口にご連絡ください。なお、研究への参加を希望されなくても、あなたの診断や治療に不利益になることは全くありません。その場合は、収集された情報は廃棄され、それ以降はこの研究目的で用いられることはありません。ただし、すでに研究結果が論文などで公表されていた場合には、完全に廃棄できないことがあります。

6.個人情報の取扱いについて
研究対象者カルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野内のインターネットに接続されていないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野・教授・小柳 悟の責任の下、厳重な管理を行います。
ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

7.試料や情報の保管等について
〔情報について〕
この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野において同分野教授・小柳 悟の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
しかしながら、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

8.この研究の費用について
この研究に関する必要な費用は、部局等運営経費でまかなわれます。

9.利益相反について
九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
本研究に関する必要な経費は部局等運営経費でまかなわれており、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。

利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。
利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学病院ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

10.研究に関する情報の公開について
この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。この研究では、学会等への発表や論文の投稿により、研究成果の公表を行う予定です。

11.特許権等について
この研究の結果として、特許権等が生じる可能性がありますが、その権利は九州大学及び共同研究機関等に属し、あなたには属しません。また、その特許権等を元にして経済的利益が生じる可能性がありますが、これについてもあなたに権利はありません。

12.研究を中止する場合について
研究責任者の判断により、研究を中止しなければならない何らかの事情が発生した場合には、この研究を中止する場合があります。なお、研究中止後もこの研究に関するお問い合わせ等には誠意をもって対応します。

13.研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
 研究実施場所
   九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野
   九州大学大学院医学研究院医療情報学講座
   九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター
 研究責任者
   九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野・教授 小柳 悟
 研究分担者
   九州大学大学院医学研究院医療情報学講座・教授・中島直樹
   九州大学大学院医学研究院医療情報学講座・講師・平田明恵
   九州大学大学院医学研究院医療情報学講座・助教・古橋寛子
   九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター・准教授・山下貴範
   九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター・助教・奥井 佑
   九州大学データ駆動イノベーション推進本部・准教授・錦谷まりこ
   九州大学大学院薬学研究院臨床育薬学分野・講師・小林大介
   九州大学大学院薬学研究院臨床育薬学分野・講師・川尻雄大
   九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野・助教・鶴田朗人
   九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野・助教・山内智暁

14.相談窓口について
この研究に関してご質問や相談等ある場合は、下記担当者までご連絡ください。
 事務局
(相談窓口)
   担当者:九州大学大学院薬学研究院 薬剤学分野・教授 小柳 悟
   連絡先:〔TEL〕092-642-6611
       〔FAX〕092-642-6613
   メールアドレス:koyanagi@phar.kyushu-u.ac.jp

【留意事項】
本研究は九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会において審査・承認後、以下の研究機関の長(試料・情報の管理について責任を有する者)の許可のもと、実施するものです。
九州大学大学院薬学研究院長 小柳 悟